南北が2年ぶりに板門店で会談

韓国と北韓の高官級会談が9日午前10時、南北軍事境界線がある板門店の韓国側施設「平和の家」で始まりました。
南北会談は2015年12月の次官級会談以来およそ2年ぶりです。
韓国の代表団は、軍事境界線近くにある統一大橋を通って、およそ7キロ先にある板門店に向かい、北韓側は、軍事境界線を歩いて渡り、会場である韓国側の施設「平和の家」を訪れました。
韓国側からは首席代表として趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官、4人の代表として統一部、平昌オリンピック主管部署の文化体育観光部、国務総理室、オリンピック組織委員会から各1名が含まれています。北韓側は、李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長を団長とし、4人の代表として、祖国統一委員会から2人、体育省、民族オリンピック組織委員会から1人ずつが参加しています。
会談は和やかな雰囲気で始まっていて、まずは北韓の平昌オリンピック参加について話し合われているとみられています。
選手団の規模や応援団、政府要人の派遣のほか、宿舎や費用負担をどうするかなどが議論される見込みです。
韓国側は南北の緊張緩和に向けた会談の実施や離散家族の再会などを話したい考えです。
これに対し、北韓は、韓米合同軍事演習の中止やアメリカの戦略資産の韓半島展開の中止などを求めてくる可能性があるとみられています。また、開城(ケソン)工業団地の再稼働や金剛山(クムガンサン)観光事業の再開を求めてくる可能性もあります。
政府は、今回の会談では、北韓の平昌オリンピック参加や南北関係の改善に関する大枠の合意を目指し、具体的な措置については、今後、分野別の会談を行って決めていきたい考えです。
会談の冒頭、北韓側が会談の様子をすべてメディアに公開するよう提案し、これに対して韓国側は非公開での会談にし、必要に応じて途中で記者会見をしようと、応じませんでした。
北韓側の提案について、専門家らは、国際社会による制裁と圧力をかわすため、会談に真摯に取り組む姿勢をアピールする狙いがあると分析しています。
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