北韓のスピーディーな動き 背景は

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がことしの新年の挨拶で平昌冬季オリンピックに参加する意向を示して以降、4月末に南北首脳会談、5月に米朝首脳会談を開催することでの合意、このほど開催された中朝首脳会談まで、異例のスピーディーな動きを見せていることについて、専門家らは、金委員長の意志もあるが、周辺国と利害関係が一致したことが大きいとみています。
まず、平昌冬季オリンピックは、金委員長としては好材料でした。
オリンピックの平和のメッセージを活用して、金委員長の外交デビューの土台を固めるだけでなく、南北首脳会談の早期開催を望む文在寅(ムン・ジェイン)大統領にも応えられました。
韓国政府としても、4月末に南北首脳会談を開催すれば、年内にも次の首脳会談を期待できるため、金委員長の提案は嬉しいものでした。
アメリカのトランプ大統領も、11月の中間選挙を控えて、数々のスキャンダルをもみ消し、支持率を上げるイベントが必要な時期でした。
トランプ大統領としては、北韓の非核化、平和協定、米朝国交樹立などをスピーディーに進める場合、得られる利益が大きいと判断したことでしょう。
中国の習近平国家主席の場合、中国国内で長期政権の基盤を固める全国人民代表大会以降、中朝首脳会談を設定したとみられます。
南北首脳会談と米朝首脳会談の前に、中朝首脳会談を開催することは、すでに決まっていたとする見方です。
こうした北韓の首脳外交について、専門家らは、「北韓は、受身の姿勢で交渉に臨み、単なる経済的見返りだけを受け取る形の外交ではなく、正常な国家としての地位と、米朝国交樹立を目標に走り出したようだ」と話しています。
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