最高人民会議 軍総政治局長の地位下がる

北韓で11日、最高人民会議が開かれ、軍のトップである軍総政治局長の地位が下がり、背景に注目が集まっています。
北韓国営の朝鮮中央通信が12日に伝えたところによりますと、平壌(ピョンヤン)で11日に国会に当たる最高人民会議が開かれました。
最高人民会議では、国務委員会副委員長の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)前軍総政治局長ら4人の国務委員が解任され、金正覚(キム・ジョンガク)軍総政治局長ら4人を新たな国務委員に選出しました。
これで、国務委員会は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を筆頭に、崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長と朴奉珠(パク・ポンジュ)首相の2人が副委員長として委員会を率いる体制となりました。
軍のトップである軍総政治局長が、国務委員会の副委員長から国務委員に降格されたもので、その背景に注目が集まっています。
総政治局は、朝鮮人民軍の幹部に対する人事・検閲・統制権を持っており、軍人の思想教育を担当する軍の中核機関です。歴代の総政治局長は、最高指導者の右腕とされ、序列は3番目となっていました。
今回の人事は、軍を「国を守る軍隊」の役割に限定し、これまでのような政治的権力は持たせない狙いがあるものとみられています。
東国(トングク)大学のキム・ヨンヒョン教授は、「軍部が持っていた過度な役割と影響力を減らすもので、党を中心に据える金正恩体制が定着していることがうかがえる」と指摘しています。
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