「すべての資源を経済発展に」 金正恩委員長

北韓の金正恩国務委員長は20日の労働党中央委員会総会で、「いかなる核実験や大陸間弾道ミサイル発射も中止する」と表明し、関心が寄せられています。
金正恩委員長が核実験や弾道ミサイル発射の中止を表明したことから、南北首脳会談や米朝首脳会談を契機に北韓が「核計画凍結」を宣言する可能性もあるとの見方が出ています。
金正恩委員長は労働党中央委員会総会で「すべての資源を経済発展のために動員しなければならない」とも強調しました。
金正恩国務委員長はこれまで「核開発と経済発展の並行路線」を強調してきましたが、金正恩委員長の一連の発言は「並行路線」を事実上廃棄し、経済発展に集中する方針を示したものと受け止められています。
金正恩委員長は核実験場を廃棄するとの考えも表明しました。
政府系シンクタンクの国家安保戦略研究院の関係者は、核実験場の廃棄は核実験中止を裏付ける一つの方法であり、北韓が非核化に向けて動き出す用意があることを示すものだと指摘しました。
また、経済発展に集中する方針を明らかにすることで住民の不満を解消する一方、「核開発と経済発展の並行路線」を事実上修正することで、南北首脳会談や米朝首脳会談で主導権を握る狙いがあると指摘しました。
この関係者は、経済発展を強調したのは、アメリカに対して非核化の代価として経済協力を求める意味もあると指摘しました、
ただ、北韓のこうした動きが必ずしも非核化につながるとの保証はないとする見方もあります。
金正恩委員長の発言は、今後は核実験をしないという意味で、これまで開発した核関連技術については言及しておらず、アメリカが要求している「完全かつ不可逆的な非核化」とは距離があるとの指摘もあります。
[Photo : ]