米朝が駆け引き 核実験場廃棄に注目

北韓が、16日に予定されていた南北高位級会談を突然中止すると表明し、さらに、史上初の米朝首脳会談の取りやめも示唆するなど、揺さぶりをかけているなか、北韓が来週行うとしている核実験場の廃棄が、予定通り行われるのかに注目が集まっています。
北韓は、北韓北東部の豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄を23日から25日に行うとしています。実験場のすべての坑道を爆破して崩落させ、入り口を完全に閉鎖するとしています。
アメリカのボルトン大統領補佐官と北韓の金桂官(キム・ケグァン)第1外務次官が、非核化の範囲などをめぐって応酬し合いましたが、北韓は、いまのところ、核実験場の閉鎖を見送る意向は示しておらず、核実験場の廃棄を取材する海外の報道陣を招待していることなどから、予定通り行う可能性が高いというのが大方の見方です。
ただ、アメリカ国防情報局などが、北韓が核実験場を閉鎖しても、数か月以内に元に戻すことができるとの見方を示すなど、非核化に向けた北韓の意志を疑う見方がアメリカ国内では依然として根強くあります。
こうしたことから、北韓が核実験場を予定通り閉鎖するのか、また、その方式がアメリカの疑いを完全に解消できるものになるのかが、今後の米朝関係の行方を占う鍵となる見通しです。
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