トランプ政権が29日にも発表を予定していた北韓に対する新たな大規模制裁を見送ったと、アメリカのウォールストリート・ジャーナルが28日、報じました。
制裁措置はトランプ大統領が24日、米朝首脳会談の中止を表明したのを受けて財務省が策定したもので、ロシアや中国を含む30以上の団体が対象となっているということです。海外に派遣された北韓の労働者の国外退去措置などが盛り込まれているということです。
米朝は、6月12日のシンガポールでの首脳会談の再設定を視野に、南北の軍事境界線にある板門店（パンムンジョム）で27日から実務者協議を開いて議題の詳細などを詰めていて、追加制裁の見送りは、その行方を見守るためだということです。
一方、トランプ大統領は現地時間の27日、北韓について「素晴らしい可能性を秘めていて、いつか経済的、財政的に偉大な国になるだろう」とツイッターに投稿し、非核化に応じれば経済支援をする意思があることを改めて示唆しました。
また、アメリカのポンペイオ国務長官は、北韓が求める体制保証について、非核化と同じように「完全かつ検証可能で不可逆的な」ものになると述べました。ポンペイオ国務長官は、「米朝首脳会談で双方が合意に達すれば、その内容を条約の形でアメリカ議会に提出し、同意を得る」と述べ、合意の拘束力を最大化する考えを示しました。

[Photo : KBS News]