北韓の体制保証に消極的 アメリカの本音は?

アメリカのトランプ大統領は、北韓が非核化に応じれば、経済的な支援をする意思をこれまで何回も示してきましたが、北韓が望む「体制保証」については、消極的な姿勢を取っています。
北韓が非核化の見返りとして強く求めているのは「体制保証」で、アメリカが表明している経済支援については、「われわれの技術と資源で、栄えることができる」と、不快感を示しています。
体制の安全に向けて北韓が望んでいるのは、「終戦宣言」、「連絡事務所の設置」、「テロ支援国家指定からの解除」、「米朝国交正常化」、「平和協定の締結」といった確実な措置です。
これに対し、トランプ大統領は、「北韓が核を放棄すれば、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の安全を保証する」という消極的な言及にとどめています。
アメリカでは北韓に対する根強い不信があり、北韓に体制保証を与えることに極めて慎重な見方が広がっていることがその背景にあるとみられます。
また、オバマ政権以降、アメリカが推進している「アジア重視政策」を容易に進めるためには、北韓の核問題が完全に解決されないほうが都合が良いという複雑な事情も背景にあるとみられ、北東アジアの情勢が、今後の米朝関係の行方を占ううえで重要な鍵を握るものとみられています。
[Photo : YONHAP News]