北韓メディア 韓日軍事情報協定の破棄要求

北韓の海外向けの宣伝メディアが、韓国と日本がおととし11月に締結した国防機密保護に関する「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA) を破棄するよう求めました。
朝鮮中央通信は29日付の論評で、板門店宣言の履行過程には様々な「障害物」があるとしたうえで、「韓国当局は、売国協定であり、戦争協定である軍事情報包括保護協定を破棄する勇断をもって、板門店宣言の履行に向けた意志を示すべきだ」と主張しました。
また、「もう協定存在の口実は、明確になくなった。板門店宣言の履行だけでなく、韓国当局が進めている長年の弊害を清算するという観点からも、日本との軍事協定は早急に破棄されるべきだ」と強調しました。
北韓の韓国との窓口機関、祖国平和統一委員会のウェブサイト「わが民族同士」も同じ日、「過去の罪に対して補償はおろか、謝罪もせず、独島(トクト、日本でいう竹島)を強制的に奪おうとし、南北の和解の流れに水を差してばかりいる日本との売国的な協定をいまだ維持していること自体が民族の恥だ」として協定の破棄を促しました。
さらに、北韓の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、韓国の各界から協定の破棄を求める声が高まっていると伝えました。
北韓のこうした動きは、来月1日の南北高位級会談を皮切りに、南北間で分野別の会談が次々と行われることが予想されるなか、中国の北韓レストラン従業員の脱北や韓米合同軍事演習とともに「目障り」となっていた韓日軍事情報包括保護協定の問題を再び持ち出して、韓国世論への心理戦を行おうとしているものとみられます。
[Photo : KBS News]