米朝 国交樹立の着手で歩み寄り

アメリカと北韓が、来月の首脳会談を前に、北韓の非核化を前提とした米朝外交関係の樹立に着手することで歩み寄ったもようです。
韓米の複数の消息筋が30日、明らかにしました。
それによりますと、アメリカのソン・キムフィリピン駐在大使らは30日、板門店で北韓の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官らと実務協議を行い、来月の首脳会談を前に、北韓の非核化を前提とした米朝外交関係の樹立に着手するという両国の立場を互いに交わしたということです。
これについては、現地時間の30日にアメリカニューヨークで開かれるアメリカのポンペイオ国務長官と北韓の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長の会談で、合意するかどうかが最終的に決まるとみられます。
ソン・キムフィリピン駐在大使らと崔善姫外務次官らは、今月27日に行われた板門店での1回目の接触で、両国の要求事項を交わしています。
外交消息筋は、「北韓は27日の会談で、アメリカに対して外交関係の樹立と北韓への制裁解除を強く求めた。北韓はすでに核実験場を廃棄するなど非核化措置に踏み切り、今後も完全な非核化の道に進むという意向を示した」と伝えています。
この消息筋は、「北韓は、アメリカの北韓に対する敵対政策が撤回されれば、核を保有する理由がなくなるという趣旨の説明をした」と話しています。
30日、中国北京からニューヨークに向かった金英哲副委員長がこうした立場をアメリカ側に伝えるとみられます。
別の消息筋は、「ポンペイオ長官と金英哲副委員長の会談が成功すれば、両国は来月の米朝首脳会談で、国交樹立、北韓への制裁解除、北韓の非核化を盛り込んだ条約の形の文書に署名する可能性が高い。米朝が条約を結べば、アメリカ議会の議決によって法的拘束力を持たせる手続きに入るだろう」と話しています。
アメリカと北韓は、首脳会談で関係改善や非核化について大筋で合意したあと、条約が発効すれば、完全な非核化に乗り出すという段階的措置を取るとみられます。
[Photo : YONHAP News]