韓国政府は、北韓への輸出が禁じられているガソリンなど一部品目について、例外的に輸出を認めるよう国連安全保障理事会に要請していましたが、国連安保理はこのほど、要請を承認しました。
韓国外交部によりますと、韓国政府は先月25日に南北首脳会談で合意した南北軍事ホットライン再開のためだとして、再開に必要な物資について、例外措置として北韓への輸出を認めるよう国連安保理に要請、国連安保理の北韓制裁委員会はこのほど、「人道目的」との理由で例外措置を認めました。
再開に必要な物資としては、国連安保理の決議で北韓への輸出が禁じられているガソリンなどの燃料やトラックなどの車両も含まれています。
韓国政府が国連安保理に例外措置を要請したのは初めてです。
韓国政府はこの要請について、板門店宣言を履行するために必要な措置だと説明しました。
国連安保理ではアメリカを含む15カ国が例外措置の承認に賛成したということです。
ただ、今回の承認については、問題点も指摘されています。
燃料や車両など、北韓に輸出する物資の上限や軍事目的に転用することを防ぐための措置が踏まれていないためです。
韓国政府は今後も必要に応じて例外措置を要請する方針だとしていますが、非核化に向けた具体的な進展がないだけに、北韓に対する制裁の事実上の緩和につながるのではないかと懸念する声も出ています。

[Photo : YONHAP News]