北韓の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は20日に論評を発表し、文在寅（ムン・ジェイン）大統領が13日のシンガポールでの講演で述べた「米朝首脳が約束を守らなければ、厳しい審判を受ける」とした発言について、「無礼非道な詭弁（きべん）」だと批判しました。
また、労働新聞は「韓国政府が主人のアメリカの顔色ばかりうかがい、根本的関係改善のための実践的措置も講じず、解決すべき重大な問題が無期限に漂流している」とも主張しました。
北韓は今年に入ってから韓国との融和ムードが強まり、文大統領への非難を避けていただけに今回の論評は異例です。
北韓はこの論評で、韓国政府に対して南北関係の改善と制裁緩和に積極的に取り組むよう圧力をかけた形になりました。
一方、労働新聞は、中国にある北韓のレストランから2016年に北韓の女性従業員らが韓国に集団脱北した事件について、真相究明とともに女性らの送還を改めて求めました。
そして、この問題が解決されなければ、8月に予定されている南北離散家族の再会行事はもちろん、南北関係の将来にも障害となりかねないと威嚇しました。

[Photo : YONHAP News]