米朝交渉場所、ウィーンが選ばれた意味

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、肉声で非核化の意思を示し、条件付きで寧辺(ヨンビョン)の核施設を破棄する意向を示している南北平壌共同宣言が採択された直後、アメリカが米朝実務交渉を行う場所としてウィーンを指定しました。
北韓はまだ、アメリカの案を受け入れるかどうか明確な返事はしていませんが、特に拒む理由がないことから、近いうちに米朝「ウィーン交渉」が実現するとみられます。こうした中、トランプ政権が米朝非核化交渉を再開する場所としてウィーンを選んだことについて、歴史的、象徴的、実質的な側面をすべて考慮した場所選定だという解析が出ています。
オーストリアの首都であるウィーンは、冷戦時代にアメリカと旧ソ連の首脳会談の場所としてよく利用されていて、和解や歩み寄りの場としての象徴性が高いということです。
また、ウィーンには、核の検証を行うIAEA=国際原子力機関とCTBTO=包括的核実験禁止条約機構があるため、非核化の検証と視察を重要視しているアメリカとしては、北韓との交渉の過程でIAEAと協力しやすく、実質的な視察のプロセスが始まると迅速にチームを構成できるという計算をしている可能性もあります。また、ウィーンには、北韓とアメリカの大使館があり、オーストリアが中立国だということも考慮されたと考えられます。
[Photo : YONHAP News]