北韓はプルトニウム製造の即時停止を 米の核専門家

アメリカの核専門家、スタンフォード大学のジークフリード・ヘッカー教授は、9月の南北首脳会談で行われた平壌共同宣言にもとづいて北韓が取るべき次の措置として、「プルトニウム製造の即時停止」を挙げました。
ヘッカー教授は27日、ソウルの延世(ヨンセ)大学統一研究院での特別講義で、「北韓が、平壌共同宣言で明らかにしたとおり、寧辺(ヨンビョン)の核関連施設の原子炉を閉鎖すれば、大きな進展があるだろう」と述べました。
ヘッカー教授は、「ウラン濃縮施設の閉鎖には、より長い時間がかかるため、プルトニウム製造施設の閉鎖から先に行って、信頼を構築しなければならない」と強調しました。
また「寧辺の核施設は、古いものもあるが、一部はとても新しい施設だ」と述べました。
さらに「北韓は現在、核弾頭を30個ほど保有している」とし、最大で70個を保有しているという一部の主張とは異なる見解を示しました。
ヘッカー教授は、「北韓の非核化の検証には、凍結、削減、廃棄の3段階を経るまでに10年はかかるとみていて、この過程で信頼を築くことが重要だ」と述べました。
また「当面の脅威を減らすことから始めなければならない」として、アメリカへの脅威となるICBMと、プルトニウムから先に対処する必要があり、
こうした面では、北韓が核実験とミサイルの発射実験を中止したことは意味があると評価しました。
ヘッカー教授は、2004年から2010年まで4回にわたって寧辺の核施設を訪れており、その際、北韓はウラン濃縮施設を初めてヘッカー教授に見せています。
[Photo : KBS News]