ポンペイオ訪朝 非核加速化につながるか

ポンペイオ国務長官の北韓訪問日程が決まり、アメリカと北韓の間の非核化交渉が本格化する見通しです。
一度は取りやめになったポンペイオ国務長官の訪朝が決まったことから、すでに水面下の接触を通じて基本的な問題については合意したのではないかとする見方もあります。
また、過去3回の訪朝とは違って、今回は金正恩国務委員長との会談も事前に決まっていて、「非核化」と「相応の措置」について意見が接近しているとする観測も出ています。
これまでアメリカは「核リストの申告」を要求し、北韓は「終戦宣言」を要求して、双方は平行線をたどっていました。
しかし、先月の南北首脳会談で採択された平壌共同宣言で、北韓は東倉里のミサイル関連施設と寧辺の核施設の廃棄に言及し、これが契機になって米朝間の交渉が進展したという指摘もあります。
今回のポンペイオ長官の北韓訪問で交渉が順調に進めば、非核化の大きな枠組みだけでなく、細かい措置にまで合意する可能性もあるとされていて、北韓が保有している核物質や核兵器の一部を廃棄する具体的な手順についても議論が行われる可能性もあります。
一方では、北韓が要求してきた「終戦宣言」と「制裁緩和」についても協議が行われるものとみられます。
制裁の緩和についてはアメリカ国内の反対世論もあり、制裁をすぐに緩和あるいは解除するのは難しいものの、制裁を部分的に免除する例外措置を設ける方向で合意することは可能だとみられています。
アメリカは、南北協力事業を例外措置として認める可能性もあるとされていますが、これは韓国に対して非核化に向けた「権限」と「責任」を同時に付与する意味があるとする分析もあります。
今回の非核化交渉が順調に進めば、11月初めにもワシントンなどでの2回目の米朝首脳会談が実現する可能性もあり、そうなれば米朝の首脳が韓国戦争の終戦を宣言する可能性もあるものとみられています。
[Photo : KBS News]