アメリカが北韓に求めている核兵器リストの提出について、康京和（カン・ギョンファ）外交部長官は、非核化交渉を妨げるおそれがあるとして、先送りを提案しました。
康京和外交部長官は３日の「ワシントン・ポスト」に掲載されたインタビューで、「米朝間の非核化交渉の行き詰まりを打開するため、北韓に核兵器や核施設のリストの提出を求めることを当面控えるよう、アメリカ側に提案した」と述べました。
これは、非核化交渉の進展や米朝の信頼構築に向けて、アメリカが方針を変える必要があるという認識を改めて強調したもので、注目されます。
康京和長官は、前回2008年の北韓の非核化検証が失敗に終わったことに触れ、現時点で北韓に核関連リストの提出を求めることは、非核化プロセスを妨げかねないと指摘し、「異なるアプローチをとったほうがいい」と述べました。
康京和長官は、また、北韓が寧辺（ヨンビョン）の核施設を閉鎖する意向を表明した見返りに、アメリカは韓国戦争の終戦宣言に応じるべきだとする考えを示しました。
康長官は、北韓が寧辺の核施設の恒久的な廃棄を示唆したことに言及し、「韓国戦争の終戦宣言といったアメリカの相応の措置の見返りに北韓が寧辺の施設を閉鎖すれば、非核化に向けた大きな一歩となる」と述べました。
ワシントンポストは、康長官の提案について、「7日に北韓を訪問するポンペイオ国務長官にとっても、選択肢の一つになり得るだろう」としています。
ポンペイオ国務長官は７日に平壌を訪れ、北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長と会談する予定で、康長官の提案はトランプ政権に局面の打開を求める狙いがあるものとみられています。

[Photo : YONHAP News]