北の非核化の提案 アメリカは慎重な姿勢

ポンペイオ国務長官の訪朝が米朝関係改善につながるかに関心が寄せられています。
ポンペイオ国務長官は7日に平壌を訪れ、金正恩国務委員長と会談しました。
金正恩委員長は、アメリカによる相応の措置を前提に、東倉里のミサイル関連施設と寧辺の核施設の査察受け入れを表明し、大陸間弾道ミサイルの廃棄などにも応じるとの方針を明らかにしたとされています。
米朝間の協議で非核化の措置に伴うアメリカの相応の措置について協議したことが公開されたのは初めてです。
金正恩国務委員長のこうした提案にトランプ大統領が応じるかが注目されています。
ポンペイオ国務長官と金正恩委員長は非核化について細かい部分まで意見を交わし、一定部分進展があったと推定されています。
これと関連して、北韓の国営朝鮮中央通信は8日、金正恩委員長がポンペイオ長官と別れる際、「近く2回目の米朝首脳会談と関連してすばらしい計画が出来上がることを確信している」と述べたと伝え、金正恩委員長はポンペイオ国務長官との会談について大きく満足したと強調しました。
今のところ北韓はアメリカとの関係改善に積極的に取り組んでいます。
北韓のこうした動きについては、アメリカでの中間選挙を控えて、より有利な条件でアメリカと談判する機会だと判断しているためだとする指摘もあります。
金正恩委員長は、これまで「行動対行動の原則」に基づいた段階的非核化に向けた交渉が失敗していることを考慮し、非核化と米朝国交正常化を一括して妥結する「一括妥結方式」を模索する可能性もあるとみられます。
一方のアメリカは金正恩委員長の言葉をどこまで信頼できるか判断しかねているもようです。
過去の例を見るかぎり、北韓はいつでも態度を変える可能性があるからです。
トランプ大統領は7日、ツイッターで、「近く金正恩委員長に会うことを期待する」として、2回目の米朝首脳会談が開催される可能性を示唆しました。
ポンペイオ国務長官と金正恩委員長の会談の結果を踏まえて、トランプ大統領がどういった形で今後の交渉に臨むのかに関心が寄せられています。
[Photo : YONHAP News]