見張り所撤去、漢江河口調査、共同軍事委 南北が合意

韓国と北韓は26日、軍事境界線の板門店にある北韓側施設の「統一閣」で10回目の将官級軍事会談を行い、非武装地帯で兵士が警戒にあたる見張り所を、来月末までに双方が11か所ずつ撤去することなどで合意しました。
今回の会談は、9月に南北の国防相が署名した軍事的な緊張緩和に向けた「軍事分野合意書」の具体的な履行について話し合うために開かれたもので、この合意では見張り所の年内撤去や、地上、海上、空中での敵対行為の中止、漢江(ハンガン)河口の共同利用などの内容が盛り込まれています。
会談にはことし7月に続いて、韓国側から国防部の金度均(キム・ドギュン)政策官が、北韓側から朝鮮人民軍の安益山(アン・イクサン)中将が首席代表として出席し、終了後に共同報道文を発表しました。
それによりますと、まず、南北それぞれ非武装地帯1キロ以内にある11の見張り所について、来月末までに双方が兵力と装備を撤収して完全に取り壊し、12月中に相互検証を行って全ての撤収作業を終えることにしました。将来的には、見張り所をすべて撤去することを目指して実務協議を進めることにしています。
また漢江(ハンガン)河口の南北の共同利用に向けて、民間船舶の自由な航行を保障するための事前の措置として、軍関係者と海運当局、水路調査専門家などによる南北共同調査団をそれぞれ10人で構成し、来月初めから水深や水流などの共同調査を進めることにしました。
さらに軍事分野の合意に従って、来月から地上、海上、空中での敵対行為を中止することを再確認し、そのために偶発的な武力衝突を防止するための常設協議体の「南北軍事共同委員会」を、早期に立ち上げることでも合意しました。
南北は、今回の会談で「軍事分野の合意が滞りなく履行されている」と評価し、今後も合意の履行に向けてともに努力していくことになりました。
[Photo : YONHAP News]