北韓、南北新空路を提案 安保理制裁に揺さぶりか

航空分野の南北実務協議が16日に北韓・開城(ケソン)の南北共同連絡事務所で行われ、北韓は、韓半島西の西海と東の東海で、それぞれ南北の領空を通る国際空路を開設することを提案してきました。
航空当局間の実務協議は、今回、北韓側の提案で初めて開かれました。韓国から国土交通部の孫明秀(ソン・ミョンス)航空政策室長ら5人、北韓から民用航空総局の李泳宣(リ・ヨンソン)副総局長ら5人がそれぞれ出席しました。
北韓が提案した空路は、東海と西海にそれぞれ1つずつで、南北の領海の上空を通る直線に近いルートになります。
南北間には、韓国政府が8年前に北韓との交流中断を柱とした 5.24措置を発表する前に運航されていた西海の空路がありますが、北韓は今回、従来のこの空路より北韓側にさらに近い新空路を提案してきました。
国土交通部によりますと、この空路が使われる場合、北韓の領海を避けて遠回りしていた従来の空路に比べて運航距離が縮まり、費用や時間が大幅に削減される効果があるということです。
今回、北韓がこうした提案をしてきたのは、国際社会の対北韓制裁に揺さぶりをかける狙いがあるとの見方が出ています。5.24措置以前に使われていた空路の事実上の復旧を、少しの修正だけで提案してきたことから、韓国側に5.24措置の解除を要求する狙いもあるものとみられています。
また、韓国機が北韓の上空を通過する際には料金を支払うことになるため、通貨料の収益も念頭に置いているとみられます。
空路の開設そのものは、制裁に反する可能性は低いとみられますが、通貨料を支払うことは、安保理の北韓制裁に抵触するため、南北航路の開設がすぐに実現する可能性は低いものとみられています。
韓国政府は、安保理制裁に反するかどうかなど、関連部署と検討したうえで北韓との追加協議に臨む方針です。
[Photo : YONHAP News]