米朝高官協議 12月に開催ずれこむ見通し

今月末に実施されるかが注目されていたアメリカのポンペイオ国務長官と北韓の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長との協議は、当初の見通しよりずれ込む可能性が高くなっています。
ポンペイオ長官は、30日からアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれるG20=主要20か国・地域首脳会議に出席するトランプ大統領に同行する予定です。
そのため、米朝高官協議は、今月中の開催を目指すとすれば、遅くとも28日までには行われる必要がありますが、金英哲副委員長がニューヨークに向かうために北京入りしたとのニュースは今のところありません。
米朝高官協議の日程がずれ込むと、準備にかかる期間などを考えると、2回目の米朝首脳会談の来年1月の開催は厳しくなる可能性があります。すると、韓国戦争の終戦宣言、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のソウル訪問の時期もずれ込むのは必至です。
こうしたなか、30日から開かれるG20首脳会議が韓半島平和プロセスを進展させるきっかけになるのか注目されます。アメリカと中国との会談で、両国が貿易紛争を解消し、北韓の核問題での連携を強化することで一致すれば、北韓としては、米朝交渉に積極的に臨みやすくなるとみられています。
そのうえで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領との首脳会談が行われれば、韓国政府の積極的な仲裁努力により、米朝交渉に再び弾みがつく可能性があります。
韓国と北韓の鉄道をつなぐための北韓での南北共同の立ち入り調査を北韓に対する経済制裁の対象から外すなど、アメリカの融和的なジェスチャーにもかかわらず、米朝協議に慎重になっている北韓ですが、G20首脳会談の結果などを見守り、今後の出方を決めるものとみられています。
[Photo : KBS News]