米が柔軟姿勢 非核化交渉の進展につながるか

韓国を訪れているアメリカのビーガン北韓担当特別代表が、北韓に対する柔軟な姿勢を示したことで、その背景に関心が集まっています。
アメリカは最近、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の側近の崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長など3人を独自制裁の対象に追加するなど、北韓への制裁強化に注力してきました。
ところが、ビーガン北韓担当特別代表は韓国を訪れた直後の会見で、「70年間、敵対してきた感情の克服に役立つ方式で北韓と対話するための韓米間の協力策を議論する」として、北韓に対する柔軟な姿勢を示しました。
アメリカは、北韓との敵対関係の清算として、北韓への人道支援やアメリカ人の北韓への渡航禁止措置の見直しを掲げました。
アメリカ人大学生、オットー・ワームビア氏が北韓で長期間拘束され脳死状態で帰国し死亡したことを受けて、アメリカは、渡航禁止措置を取っていましたが、その緩和の可能性を示唆したものです。
ビーガン特別代表は、ポンペイオ国務長官の指示だとして、トランプ政権の方針であることを明確にしました。
これは、シンガポールでの米朝首脳会談の合意事項である「新たな米朝関係の樹立」に向けたアメリカ政府の意志を表明したものです。
制裁に反発し、アメリカが先に合意を守ることを求めてきた北韓の要求に一部応じたものとみられます。
アメリカのワシントンポスト紙は、ビーガン特別代表の発言について、「こう着状態にある北韓との核交渉を進展させるための努力の一環」と報じました。
ブルームバーグ通信は、「北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との対話を再開するための提案だ」という見方を示しました。
来年1月か2月に2回目の米朝首脳会談の開催を進めているアメリカが制裁と圧力に続いて、柔軟姿勢を示したことで、今後、北韓が対話に応じるかどうかに関心が集まっています。
[Photo : YONHAP News]