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北韓が多国間協議を提案 そのねらいは?

ニュース2019-01-02
北韓が多国間協議を提案 そのねらいは?

北韓の金正恩国務委員長は1日の新年の辞で、休戦体制を平和体制に転換するための多国間協議を提案し、米朝の非核化交渉が停滞する中、終戦宣言に向けた論議が再び始まるかどうか注目されています。
韓国と北韓は、去年4月の板門店宣言で、平和体制構築に向けた措置の一環として終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換するために南北米の3か国、または南北米中の4か国による協議を行う方向で努力することにしました。
ただ北韓は「終戦宣言の後に非核化」を主張しているのに対して、アメリカは「終戦宣言に先立って非核化」を求めているため、非核化交渉は前へ進んでいません。
金正恩委員長が新年の辞で、休戦体制を平和体制に転換するための多国間協議を提案したのは、休戦協定を平和協定に転換することが非核化交渉の進展につながるという判断があったからだとみられています。
大統領府青瓦台の国家安全保障室は、去年12月に発刊した「文在寅政権の国家安保戦略」で、「韓半島の平和体制の構築は1953年に締結された休戦協定を平和協定に転換すること」だとして、「板門店宣言の合意に沿って終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換するために南北米3か国、または南北米中4か国による会談を進める」としています。
また、「北韓による非核化に向けた初期段階の措置とともに終戦を宣言し、完全な非核化が実現した段階で平和協定を締結するという方針も示しています。
韓国政府関係者は、終戦宣言は信頼を形成するうえで大きな意味があるとして、必ず必要な措置だと強調しました。
ということもあって、非核化交渉の進展にもよりますが、上半期中に平和体制構築に向けた動きの一環として終戦宣言を進める可能性があるとされています。
北韓が終戦宣言に向けた多国間協議を公式に提案した背景に関心が寄せられています。
政府系シンクタンクの統一研究院の関係者は、北韓が多国間協議を提案したのは初めてだ。平和体制への転換の過程でまずは終戦宣言を進める意図があると分析しています。
また、アメリカとの二国間の協議よりは、多国間の協議によって北韓により有利な結果をもたらすとの判断があるとしています。
韓国の国家安保戦略研究院は分析資料で、北韓が中国を平和体制転換の当事国として認め、南北が主導し、これに米中が加わった4か国による協議を提案したのは、中朝外交関係樹立70周年を契機に中国との関係を強化する狙いがあるとしています。

[Photo : YONHAP News]

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