金委員長の訪中の意味 元統一部長官「北韓の経済復興の目標も」

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の中国訪問の意味について、北韓の事情に詳しい丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は、「金委員長の経済復興という目標も合わせて考える必要がある」と述べました。
丁元長官は 8日、ラジオのインタビュー番組で、今回の 金委員長の中国訪問について、「前回のように米朝首脳会談を前に中国を訪れたのとは異なる意味がある」という見解を示しました。
丁元長官は、「金委員長が中国の経済開放都市数か所を視察しながら、『われわれもこのように豊かに暮らしたい。核とミサイルを放棄する用意が確実にあるから、アメリカも相応の措置を取ってほしい 』というメッセージを送り、アメリカの制裁解除を求めるための動きだ」ととらえています。
一方、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で統一部長官を務めた、野党「民主平和党」の鄭東泳(チョン・ドンヨン)代表は9日、金委員長の中国訪問について、「おそらく、北京に向かう前にトランプ大統領にも知らせたはずだ」として「良いシグナルだ」という見方を示しました。
鄭代表は、「超大国のアメリカと弱小国の北韓の指導者が対等に向き合うためには、存在感を高める必要がある。トランプ大統領と良い関係を築きながら、中国の習近平国家主席とも強固な関係を維持する、非常に戦略的で実用的な考え方だ」と評価しました。
また、「中国は、心理的に北東アジアはもともと自分たちのものという意識があるのに対し、韓半島問題でトランプ大統領が制裁を強制している。金委員長はその狭間で、核心を突いてきた。存在感を高めるのは、今回が4回目だ」と話しました。
[Photo : KBS News]