制裁の全面的解除求めていない 北韓が反論

北韓の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、1日未明、ベトナムのハノイで記者会見を開き、「われわれが求めたのは全面的な制裁解除ではなかった」と、北韓側から全面解除を求められたとするアメリカ側の主張に反論しました。
北韓の李容浩外相は1日午前0時15分ごろから、宿泊先のハノイのホテルで記者会見を開き、「われわれが求めたのは全面的な制裁解除ではなく一部の解除だった。具体的には11の国連安保理決議のうち、2016年から2017年まで採択された5件、なかでも国民生活に支障をきたしている項目だけを先に解除すれば、寧辺(ヨンビョン)にあるプルトニウムとウランを含むすべての核物質の製造施設を、アメリカの専門家の立会いのもとに廃棄すると提案した。これは両国間の信頼の水準を踏まえて、いまの段階でわれわれが提案できる最大限の非核化措置だ」と強調しました。
また、「われわれが非核化措置を取るうえでもっとも重要なのは安全の担保だが、アメリカ側が軍事分野での措置を取るのはまだ難しいだろうと配慮し、部分的な制裁解除を相応の措置として提案した。われわれは、今回の会談で、アメリカの懸念を軽減するため、核実験や長距離ミサイルの発射を永久的に中止するという約束を、書面で取り交わす用意があると伝えた」と述べました。
李外相は、「しかし、アメリカ側は会談で、寧辺の核施設の廃棄のほかにもう一つの措置を取るよう最後まで求めてきた。したがって、アメリカがわれわれの提案を受け入れる準備ができていないことが明確になった」と主張しました。
また北韓の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官は、「アメリカが北韓の提案を受け入れなかったのは、千載一遇のチャンスを逃したものであり、金委員長もアメリカとの交渉に意欲を失った」と述べました。
[Photo : YONHAP News]