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北韓 制裁続くこの10年が「苦難の行軍」より厳しい

ニュース2019-03-22
北韓 制裁続くこの10年が「苦難の行軍」より厳しい

北韓の党機関紙「労働新聞」は22日付の論評で、対北韓制裁が強化されたこの10年間は、食糧不足にあえいだ1990年代後半の「苦難の行軍」のころよりも厳しい試練の時期だとし、他人の援助に頼らず、自分の力で生きる「自力更生」を強調しました。
「労働新聞」は論評で「韓国戦争後の焦土もあり、『苦難の行軍』もあったが、2010年代に経験している困難はもっと厳しい試練だ」と述べました。
「苦難の行軍」の時期には、40万人以上が餓死したとされますが、対北韓制裁が強化されたこの10年間がその時期より厳しいとしているわけです。
そして、「すべての能力と手段を総動員して集中させ、自立経済の威力と発展の潜在力を最大限発揚させなければならない」として、自力更生を強調しました。
これは、厳しい経済状況のなかでも、経済の総力戦を続けていくという金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の心構えを表したものとみられます。
専門家らはこの論評について、「制裁にめげず、必ず乗り越えなければならない。われわれにはできる」という決意を強調するのに焦点が合わせられていると話しています。
しかし、北韓は、最悪の経済状況を説明しながらも、アメリカには言及しませんでした。
アメリカへの直接的な非難を極力控え、内部の結束強化を図る北韓のこうした慎重姿勢は、今後の交渉戦略に苦心しているためという見方が出ています。
趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は、北韓に特使を派遣する必要性を感じるが、北韓側が立場を整理するまで時間が必要だと考え、待っていると話しています。
史上最悪の経済難に陥っているとされる北韓ですが、物別れとなった先の米朝首脳会談以後の打開策はいまのところ見つかっていません。 

[Photo : YONHAP News]

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