トランプ大統領が北を擁護 金委員長との会談期待か

アメリカのトランプ大統領は、ハノイでの米朝首脳会談の北韓側交渉担当者などが処刑されたとする説について、「1人は処刑されていない」と述べ、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談への期待を示しました。
トランプ大統領は、5日、アイルランドのシャノン空港で、アイルランドのバラッカー首相と会談する前に、報道陣に対し、「米朝首脳会談の、北韓側関係者が処刑されたとする報道は、正確なのかどうかわからない。1人は処刑されていない」と述べました。
トランプ大統領が言及した、処刑されていない1人が、「強制労役を課せられた」と韓国メディアで報じられた金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長なのか、処刑説が浮上したキム・ヒョクチョル対米特別代表なのかは定かではなく、トランプ大統領が勘違いをしている可能性もあります。
韓国メディアは先月30日、北韓消息筋の話として、ハノイでの米朝首脳会談が失敗した責任を取らされ、金英哲労働党副委員長は強制労働の刑に、キム・ヒョクチョル対米特別代表は処刑されたと報じています。
トランプ大統領は、また「金委員長は交渉を望んでおり、私も交渉を望んでいる。適切な時期に、彼と会えることを期待している」と述べ、3回目の米朝首脳会談に対する期待を示しました。
このようなトランプ大統領の発言は、人権問題でもある処刑説で北韓側を擁護することで、こう着状態にある米朝対話の可能性を残しておくねらいがあるのではないかとみられています。
[Photo : KBS News]