米の人身売買報告書 北韓を最低ランクに

アメリカ国務省は現地時間の20日、人身売買に関する世界各国の状況をまとめた年次報告書を発表し、このなかで、北韓の状況を、最も低い第3ランクとしました。
北韓はロシアなどへ労働者を派遣してきたほか、中国へ脱出した女性が人身売買の対象になるケースが増えています。こうした状況から北韓は、2003年以降、17年間にわたって最低ランクのまま据え置かれています。
報告書は、中国についても、新疆ウイグル自治区で中国政府の主導によるイスラム教徒少数民族ウイグル族への迫害や強制労働が前にも増して横行しているとして、第3ランクに評価しました。
また、ロシアについても、北韓と契約を結んで労働訓練所を運営し、労働者を強制的に働かせているとして第3ランクに指定しました。
第3ランクに指定されると、IMF=国際通貨基金などによる支援が、中断または制限されることがあります。
報告書は、毎年発表されていますが、中国の習近平国家主席が北韓を訪れているタイミングで発表され、その背景に注目が集まっています。
アメリカ財務省は、前日の19日、北韓が国連による制裁を回避するのを手助けしたとして、ロシアの金融機関を独自の制裁対象に指定したと発表していて、中朝の接近を間接的にけん制するとともに、中国に対し、北韓への対応で国際社会と足並みをそろえるよう促す狙いがあるとみられています。
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