2、3週間以内に米朝交渉開始 9月にも4回目の米朝首脳会談か

アメリカのトランプ大統領と北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が30日、南北の軍事境界線にある板門店で3回目の首脳会談を行い、非核化交渉の再開で合意したことを受けて、膠着状態に陥っていた非核化交渉の進展に期待が寄せられています。
3回目の米朝首脳会談の最大の成果は、米朝首脳がことし2月のベトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談以降、4か月ぶりに再会し、双方の対話の意志を再確認し、次の首脳会談の土台を築いたことです。
トランプ大統領は30日、金委員長と会談したあと、記者団に対して、「多くの複雑な問題が残っているが、われわれは実務協議を見守る」としたうえで、ポンペイオ国務長官が主導して2、3週間以内に実務チームを立ち上げ、交渉を始める方針を明らかにしました。
専門家らは、「北韓としては、建国記念日の9月9日または朝鮮労働党の創立記念日の10月10日までには、米朝首脳会談の成果を国内外にアピールしたいため、次の首脳会談を積極的に進める可能性が高い」と話しています。このため実務交渉が始まれば、早ければ9月にも次の米朝首脳会談が行われるとの見方もあります。
しかし、アメリカは「実務交渉の成果があってこそ、首脳会談もある」という考えが強く、 次の米朝首脳会談の開催までには時間がかかるという慎重な見方もあります。北韓を対話の軌道から離れないようにし、核実験やミサイル発射を凍結するモラトリアムを維持するだけでも、2020年の大統領選挙では有利に働くことから、交渉を急ぐ必要はないからです。
これについて韓国では、「現在、寧辺(ヨンビョン)の核施設の確実な廃棄のほかに切り札を出しにくい北韓の立場を考え、これに対する見返りとなる措置を講じるようアメリカを説得することが韓国政府の役目だ」という声が出ています。
[Photo : YONHAP News]