韓国政府 金剛山や開城観光の再開を検討

非核化をめぐる米朝の実務交渉が今月中旬にも開かれる見通しですが、韓国政府は米朝交渉の進展に合わせて、金剛山(クムガンサン)や開城(ケソン)観光の再開を検討していることがKBSの取材でわかりました。
アメリカのビーガン北韓担当特別代表は先月30日、米朝首脳会談を終えてワシントンに向かう専用機のなかで、米朝交渉の考え方について説明しています。
そのなかで、「交渉が進められる間、北韓が大量破壊兵器(WMD)を完全に凍結すれば、アメリカは、外交関係の改善や人道支援などを提供し、譲歩する用意はある」と話しています。
凍結だけでは、制裁解除はできないと釘を刺したものの、制裁と関係のない相応の措置は提供できると判断しているものと見られます。
これを受けて韓国政府も、アメリカとともに北韓に提供できる見返りとして金剛山や開城観光の再開を検討しています。
金剛山観光は1998年に、開城観光は2007年にそれぞれ本格的に始まりましたが、2008年から中止となりました。
大量の現金の移転は制裁違反になる可能性がありますが、個別的な観光は国連安保理の制裁対象に含まれないため、北韓も観光の活性化に積極的です。
韓国政府は金剛山観光の再開などについて、アメリカとも協議を行っていて、アメリカも前向きな反応を示しているとKBSは伝えていますが、統一部は5日、観光の再開について「現在、アメリカとの間で協議が進んでいるものはない」と述べ、報道内容を否定しました。
[Photo : KBS News]