米朝高官級会談実現せず「非核化交渉の行方は」

北韓の李容浩(リ・ヨンホ)外相が、9月下旬にニューヨークで開かれる国連総会に出席しないことが明らかになり、李外相とアメリカのポンペイオ国務長官によるニューヨークでの会談は実現しない見通しです。
李外相は8月2日、バンコクで開かれたASEAN地域フォーラム閣僚会議にも参加しなかったため、この会議に出席していたポンペイオ長官との会談は実現しませんでした。これについて、アメリカとの対話を意図的に避け、時間稼ぎをしているとの見方が出ています。
トランプ大統領は、6月末に板門店(パンムンジョム)で行われた米朝首脳会談以降、7月以内に実務交渉が始まるとしていましたが、北韓は対話に消極的な姿勢を示してきました。
また、北韓との実務交渉を担当しているアメリカ国務省のビーガン北韓担当特別代表が先月20日から23日に韓国を訪問し、「北韓と交渉を始める準備が整った」と述べましたが、これに対して、北韓は、先月23日に李外相が、また31日には崔善姫(チェ・ソニ)第1外務次官がそれぞれポンペイオ長官を批判し、「非核化交渉の再開は困難になった」との姿勢を見せています。
北韓は、アメリカとの非核化交渉の期限をことしの年末に設定していますが、そうした中で非核化交渉に消極的な姿勢を見せつけることは、来年11月に大統領選挙を控えているトランプ大統領に圧力を加える狙いがあるものとみられます。
また、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は今年、プーチン大統領や習近平国家主席と相次いで会談し、ロシアと中国の後ろ盾を確保したことも、アメリカとの交渉に対する北韓の消極的な態度につながっているとの見方も出ています。
一方、中国の王毅外相は2日から4日の日程で平壌を訪問する予定で、韓半島の非核化問題は米朝対話を通じて解決しなければならないとの立場を示している王毅外相が、米朝交渉について北韓側にどのようなメッセージを送るか注目されます。
[Photo : YONHAP News]