米朝交渉再開の提案後に飛翔体発射 北韓のねらいは

北韓がアメリカとの交渉再開の意向を明らかにしたにも関わらず飛翔体を発射したことをめぐって、北韓の意図に関心が集まっています。
北韓の崔善姫(チェ・ソニ)第1外務次官は9日に発表した談話で「9月下旬に、アメリカ側と今まで議論してきた問題を包括的に討議する用意がある」と明らかにしました。
ところが、談話の発表から半日も経たない次の日の10日午前、平安南道(ピョンアンナムド)の内陸から東に向けて飛翔体2発が発射されました。
北韓のこのような行動について、非核化の実務交渉で北韓が自国の安全保障上の脅威の解消を最優先議題として解決しようとする意志を示したものとの分析が出ています。
北韓は、制裁解除を最大の目標として掲げていたハノイ米朝首脳会談の決裂以降、アメリカから引き出す相応の措置に関する優先順位を体制維持の保障に変更したことを明らかにし、その一環として自衛に向けた軍事力強化に取り組んでいるとされます。
北韓が韓米合同軍事演習の終了後もことし6月に板門店(パンムンジョム)で行われた南北とアメリカの首脳会談で合意した実務交渉に乗り出さずにいるのは、これまで開発してきた兵器の試験発射を完了させようとしているためとみられます。
このため、北韓は今月末に予想される実務交渉の再開前までは、引き続き飛翔体を発射する可能性があるとの観測も出ています。
[Photo : YONHAP News]