北韓のSLBM発射 米は反応示さず

北韓は、アメリカとの非核化に向けた実務交渉の再開を3日後に控えた2日、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射しましたが、トランプ大統領はこれといった発言をしておらず、アメリカ側は慎重な立場を示しています。
北韓が2日午前に試験発射したSLBMは、頂点高度910キロまで上昇したあと、日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したとみられています。これは正常な角度で発射した場合、アメリカ軍基地のあるグアム島の攻撃が可能であるとする分析が出ています。
また、潜水艦からの発射が可能なミサイルは、発射直前まで探知が困難だという点から、これまで北韓が発射を行ってきた短距離ミサイルに比べて、その脅威は次元の異なるものと評価されています。
アメリカのメディアは、今回のミサイル発射について、北韓が自らの核やミサイル技術を誇示することで、5日に開かれる米朝間の実務交渉で優位に立つために行ったものと分析しています。
一方、トランプ大統領は今のところ、これといった反応を示していません。今回のミサイル発射に対するアメリカ側の立場は、現地時間の1日に発表された「状況を注視している」という政府高官の論評と、「挑発を自制し交渉に臨むことを求める」という国務省報道官の声明しかありません。
このようなアメリカ側の反応からみて、北韓の強い挑発にもかかわらず、実務交渉は再開される可能性が高いものとみられます。
しかし、北韓側が5日に実務交渉が開かれると発表した以外に、米朝両国がどこでどのような議論をすることになるかは、未だベールに包まれています。
アメリカのビーガン北韓担当特別代表と交渉する北韓外務省の金明吉(キム・ミョンギル)巡回大使は3日、北京発ストックホルム行の航空便を予約したことがわかり、実務交渉の開催地としてスウェーデンが浮上していますが、アメリカ国務省は開催地だけでなく、日程も「1週間以内」としか明らかにしていないため、実務交渉が実際に始まるまではすべてが流動的な状態となっています。
[Photo : KBS News]