北韓「4種類の新型兵器」開発を誇示 米朝実務協議に備える

北韓は新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの試験発射に成功したと発表しましたが、ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わって以降、北韓は4種類の新型兵器を完成させたとの見方が出ています。
北韓の朝鮮中央通信は3日、朝鮮民主主義人民共和国国防科学院が2日午前、「新型のSLBM『北極星3型』の試験発射に成功した」と報じました。
これに先立ち、韓国の合同参謀本部は、北韓が2日発射したミサイルは、高度910キロに達し、450キロを飛行したと発表しました。
軍事専門家らは、「北極星3型」が、従来の北極星系列のミサイルよりも改良されたものであるとの見方を示しています。
「北極星1型」は、潜水艦から発射する2段分離型で、「北極星2型」は、地上発射型に改造され発射したものと推定されます。
水中発射台を載せたバージ船を曳航したと見られる船舶が、北韓の港に停泊している写真が公開され、今後 SLBM開発の最終段階となる潜水艦からの試験発射も行われるとの観測が出ています。
ところでSLBMの試験発射に成功したことが確認されたことで、北韓はいわゆる「ハノイ・ノーディール」以降、4種類の新型兵器が完成段階に入ったとの見方が出ています。
北韓は、ことし5月から今月2日まで、11回にわたって試験発射を繰り返し、ロシア製「 イスカンデル」の北韓版と呼ばれている「KN-23」や 戦術ミサイルシステム「ATACMS」にあたる新型の地対地弾道ミサイルや超大型放射砲などを次々と打ち上げ、さらに核兵器の発射方式としては、もっとも迎撃が難しいとされる戦略兵器「SLBM」の開発にも成功しました。
アメリカとの実務協議が迫っているなか、北韓がSLBMの開発成功を公式に発表したことは、非核化交渉に失敗しても、アメリカの軍事的脅威に備えることができるという点をアピールするとともに、実務協議で北韓が主張する「体制保障」の水準を高める狙いがあるとの見方が出ています。
[Photo : YONHAP News]