北韓の金正恩（キム・ジョンウン）委員長は、年末に４日間にわたって開かれた朝鮮労働党の中央委員会総会で演説し、「アメリカの敵視政策が撤回されるまで、戦略兵器を開発して核抑止力を維持する」と述べ、中止を約束していた核兵器とICBM＝大陸間弾道ミサイルの実験を再開する可能性を示唆しました。
北韓の朝鮮中央テレビは元日、重要政策を決定する党の中央委員会総会が暮れの31日まで４日間、開催されたことを伝えるとともに、 金正恩委員長の演説をおよそ40分間放送しました。
金委員長はこの演説で、おととし４月に核実験とICBMの発射実験を中止すると発表した後も、アメリカは制裁解除などの措置を取らず、韓国との軍事演習を続けて敵視政策を撤回していないと批判し、「われわれは、アメリカの敵視政策が撤回されるまで戦略兵器を開発し、核抑止力を維持する。遠からず、新たな戦略兵器を目撃することになるだろう」と述べ、実験中止を見直す可能性を示唆しました。
一方で、金委員長はアメリカとの交渉について、「こう着状態は長期化する様相を帯びている。われわれの核抑止力強化の幅と深さは、今後のアメリカの北韓に対する方針によって調整される」と述べ、アメリカと対話する余地が残っていることを示しました。
 

[Photo : KBS]