文大統領 「正恩氏の韓国訪問に向けて南北が努力すべき」

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7日午前、大統領府青瓦台で新年の演説を行い、北韓の金正恩国務委員長によるソウル訪問の条件が早期に整うよう引き続き取り組む方針を示しました。
このなかで、文大統領は、北韓側と会って「絶えず」対話する用意があるとしました。
そのうえで、「平和統一の意思を伝える共同行事をはじめ、金正恩委員長の韓国訪問のための条件が一日も早く整うよう南北が共に努力することを願う」と述べ、金委員長の韓国訪問を呼びかけました。
2018年9月に北韓・平壌(ピョンヤン)で開かれた南北首脳会談で発表された「平壌共同宣言」には、金委員長が「近い時期に」ソウルを訪問すると明示されましたが、警護と安全上の問題や非核化をめぐる米朝交渉の難航などで、北韓が応じず、金委員長の韓国訪問は実現していません。
こうしたなか、金委員長の韓国訪問を呼びかけたのは、米朝交渉が膠着状態に陥っているなか、南北関係を通じて米朝関係の改善を図りたい狙いががあるものとみられています。
具体的には、来月ソウルで開催される東アジア重量挙げ選手権への北韓の参加などスポーツ交流や、DMZ=非武装地帯のユネスコ=国連教育科学文化機関世界遺産への共同登録などをあげました。
また、中断している南北協力事業の開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光再開に向けた努力を続けていく考えを示しました。
外交政策については、アメリカとの同盟関係をさらに高い水準に発展させるとともに、中国との間で様々な分野での交流・協力を強化する方針を明らかにしました。
対日関係については、「日本はもっとも近い隣人で、両国間の協力関係を一層未来志向的に進化させていきたい。日本が輸出規制強化の措置を撤回すれば、さらに迅速に発展させていくことが可能になるだろう」と述べました。
[Photo : YONHAP News]