金正恩委員長の「重体説」 北韓メディアが連日動向報道

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の重体説が浮上しているなか、北韓メディアは連日、金委員長の動向について報じています。
北韓国営の朝鮮中央通信は22日、金委員長がシリアのアサド大統領の祝電に対して、答電、返事の電報を送り、謝意を表明したと伝えました。
また、そのほかの北韓メディアも金委員長が19日にはジンバブエ共和国、21日にはキューバの首脳に祝電を送ったと報じています。
このような北韓メディアの動きについては、金委員長の健康に問題がないことを強調するねらいがあるとみられていますが、いずれも金委員長が登場しない動向についての報道であることから、疑惑を払拭するには限界があるとされています。
また、アメリカCNNが報じた金委員長の重体説が事実であれば、韓国との国境地域や平壌(ピョンヤン)に軍事力を集中させるなどの動きがあるはずですが、今のところそのような動向は確認されてないということです。
統一部の当局者も、金委員長の重体説が浮上した20日以降もシリアの大統領に祝電を送っていることなどから「金委員長が日常的に業務を進めている証拠だ」として、金委員長については、「特に変わった動向はない」とする韓国政府の立場に変わりはないとしています。
一方、アメリカのトランプ大統領は現地時間の21日、金委員長の重体説について「金委員長がどのような健康状態にあるか、われわれにはわからない」としているほか、ジョン・ハイトン合同参謀次長も「依然として金委員長が北韓の核武力と軍隊を完全に掌握していると推定される」と明らかにしています。
[Photo : YONHAP News]