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北韓での原発建設関連文書は「アイデアとして作成」 産業通商資源部

ニュース2021-02-01
北韓での原発建設関連文書は「アイデアとして作成」 産業通商資源部

産業資源部の公務員が削除したファイルから「北韓での原子力発電所の建設」に関する文書が見つかったことで、韓国政府が、北韓での原発建設計画を進めたのではないかという疑惑が浮上していることについて、産業通商資源部は、アイデアとして作成したもので、政府の公式な立場ではないと否定しました。 
産業通商資源部は31日に行った記者会見で、「北韓での原発建設に関する文書は、内部で検討するための資料であって、政府の公式な立場ではない」と釈明しました。
文書の終わりの部分で、「具体的な推進方策には限界があり、今後、北韓の非核化措置に合わせてさらなる検討を進める必要がある」と記述していると明らかにし、産業通商資源部は、「具体的な計画のない、多様な可能性についてアイデアとして作成したものだ」と強調しました。
またこの文書を削除したことについては、「遺憾に思う。削除した理由については、捜査や裁判を通じて明らかになるだろう」として、説明を避けました。
最大野党「国民の力」は、政府に対して文書を公開するよう求めていましたが、産業資源部は「現在進行中の裁判に影響を及ぼす可能性があるため公開しない」としました。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2018年に行われた1回目の南北首脳会談で、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に韓半島の新経済構想を収めたUSBメモリーを手渡していますが、国民の力は、このUSBメモリーのなかに、原発の建設に関する内容が含まれていたとして、首脳会談開催の見返りではないかという疑惑を提起していました。
これに対して統一部は、「金委員長に伝えた新経済構想には、原発という単語や関連内容はなかった」と反論しています。
大統領府青瓦台の関係者は、「政府レベルで、北韓での原発の建設計画を検討したことはない」としたうえで、これについて文大統領自らが立場を表明するかについては、「まだ決まっていない」と答えました。
北韓での原発建設をめぐる疑惑は、慶尚北道(キョンサンブクト)月城(ウォルソン)原発1号機の早期閉鎖の決定をめぐる監査院の監査を控えて、数百件の文書を削除した公務員らに対する検察の起訴状が公開されたことで持ち上がりましたが、ことし4月の補欠選挙の重要な争点となることから、与野党間の議論と攻防は当分、続きそうです。

[Photo : YONHAP News]

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