東京五輪、海外観客断念 統一部「韓半島プロセス進展のきっかけ探す」

ことし7月の東京オリンピック・パラリンピックが、海外からの観客を受け入れずに開かれることについて、統一部は22日、「与えられた環境に合わせて韓半島平和プロセスの進展のきっかけとする方策を見出したい」との立場を示しました。
統一部の報道官は22日、日本政府が東京オリンピック・パラリンピックでの海外からの観客の受け入れを断念すると発表したことについて、「韓国政府としては、韓半島平和プロセスを引き続き推進していくという立場を継続して示してきた。与えられた環境に合わせて韓半島平和プロセスの進展のきっかけとする方策を見出していきたい」と話しました。
韓国政府は、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、こう着状態に陥っている南北関係だけでなく、米朝の対話のきっかけを作ろうとしてましたが、日本政府が海外からの観客の受け入れを断念したことで、悩みが深まっています。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は独立運動記念日の「3.1節」の演説で、「東京オリンピックは韓日、南北、日朝、そして米朝間の対話の機会になり得るため、韓国は東京オリンピックの開催が成功するよう協力する」と話しています。
実際に、大統領府青瓦台の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が去年10月に当時のホワイトハウスのオブライエン安全保障担当補佐官と会談した際、東京オリンピックの重要性を強調したほか、金振杓(キム・ジンピョ)韓日議員連盟会長も去年11月、菅義偉首相と面会した際、日本側が、東京オリンピック期間中に北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を招く意向を示したと明らかにしました。
与党の関係者は、「日本が東京オリンピックの開催を成功させるため、アメリカや北韓の特使など少人数の高官を招待する可能性はある。北韓もスポーツを通じて自然にアメリカと接触できるだけに、選手団の派遣について前向きに考えるだろう」と話しています。
[Photo : YONHAP News]