韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は30日、北韓の金正恩国務委員長らを非難するビラ50万枚を大型風船で北韓に向けて飛ばしたと明らかにしました。
境界線付近でのビラ散布を禁じる改正法が３月、韓国で施行されて以降初めてです。
団体によると、ビラは南北軍事境界線一帯から2回に分けて風船で運ばれ、ビラのほか、体制を非難する小冊子500冊とドル紙幣5000枚も飛ばしたということです。
脱北者団体の朴相学（パク・サンハク）代表は、「北韓の住民にも真実を知る権利がある。ビラ散布は、いかなる脅迫や暴力でも阻止できないだろう」としたうえで、「ビラ散布を禁じる改正法について、国連やアメリカ、ヨーロッパなど国際社会が糾弾している。韓国政府は左派独裁へと後退している」と批判しました。
「自由北韓運動連合」は1週間前の23日に、ビラ散布を実施すると発表しており、統一部はこれに対し、法律違反があれば法の趣旨にのっとり対処していくとしていました。
ビラ散布をめぐっては、南北軍事境界線一帯でのビラ散布行為などに対し、3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金を科すことを柱とする改正法が去年12月に国会で可決し、先月30日に施行されました。

[Photo : YONHAP News]