北韓 韓米首脳会談に初めて言及 「韓米ミサイル指針」の撤廃を非難

北韓が、先の韓米首脳会談について初めて公式に言及し、会談で、韓国が保有するミサイルの射程を制限してきた「韓米ミサイル指針」の撤廃が合意されたことを非難しました。
北韓の朝鮮中央通信は31日、国際問題評論家のキム・ミョンチョル氏が書いたという「何を狙ったミサイル指針の撤廃か」と題した論評を発表し、韓米がミサイル指針の撤廃で合意したことについて、「過去数回にわたって行われたミサイル指針の改正で、弾頭重量の制限を解除したのに加えて、今度は射程距離の制限までなくした。こうしたアメリカの措置は、意図的な敵対行為としか言いようがない」と非難しました。
また「われわれの自衛的措置であるミサイル開発を国連安保理決議違反だと主張しながらも、アメリカに従う国々には無制限のミサイル開発権利を認めている。口では対話を云々しながら、行動では対決を続けているのがアメリカだ。これはアメリカの対北韓敵視政策の表れであり、二つの顔を持つ破廉恥さの証拠だ」と主張しました。
さらに「われわれの標的は韓国ではなく、アメリカだ。われわれは(相手の出方次第で対応を変える)『強対強』『善対善』の原則でアメリカに対応する。韓半島情勢の悪化は、われわれを脅かす勢力の安全保障の不安定に繋がるだろう」と警告しました。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領とバイデン大統領は現地時間の21日に開かれた首脳会談で、韓国のミサイルの射程を800キロメートルまでに制限する「韓米ミサイル指針」の撤廃で合意していて、これで、韓国は42年ぶりに完全なミサイル自主権を持つことになりました。
[Photo : YONHAP News]