韓国企業が一時所有していたタンカー２隻を、北韓が中国を通して購入していたことが、アメリカのシンクタンクの調査でわかりました。
アメリカのシンクタンク、CSIS＝戦略国際問題研究所の傘下にあるAMTI＝アジア海洋透明性イニシアチブがまとめた報告書によりますと、北韓が2019年から2020年までに、中国から購入したタンカー3隻のうち、2隻は一時韓国企業が保有していたものであるということです。
国連の安全保障理事会は、対北韓制裁決議で、新品や中古の船舶を直接、または間接的な方法で、 北韓に供給・販売・移転することを禁じています。
船舶が中国を経て北韓に入ったとしても、韓国企業や仲介業者が、船舶の最終的な所有主が北韓になることを知っていた場合、間接的な販売に当たるため、国連安保理の制裁違反とみなされる可能性があります。
報告書を作成した研究員は、アメリカメディアとのインタビューで、北韓が購入したタンカー２隻は、韓国の仲介業者を通して中国の企業や個人に引き渡されたものであるとして、韓国の仲介業者が制裁に違反しているかどうかは、韓国政府が、この問題をどのように解釈するかにかかっていると述べました。
そのうえで、北韓は、２隻のタンカーを購入したように、新たな船舶も簡単に購入できるだろうと指摘しました。
韓国政府は、報告書の事実関係や、韓国の業者が制裁に違反している可能性があるか、調べています。

[Photo : YONHAP News]