米国務省 中ロの対北韓制裁緩和の働きかけに「完全な履行促す」

中国とロシアが最近、国連安全保障理事会に対北韓制裁の緩和を求める決議案の草案を提出したのに対して、アメリカ国務省は2日、「完全な制裁の履行」を改めて促しました。
アメリカ政府系メディアの自由アジア放送が2日、報じたところによりますと、国務省の報道官は、「中国とロシアに対して、すべての国連安保理の理事国が全会一致で採択した対北韓制裁決議の完全な履行を促す」と述べたということです。
中国とロシアは、北韓が核実験やICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験を行っていないことを考慮して、制裁を緩和すべきだと働きかけてきました。
最近では、輸出禁止措置を解除するとともに、石油製品の輸入上限を撤廃することを求める決議案の草案を提出したとされています。
安保理決議案が採択されるためには、アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの常任理事国5か国が拒否権を行使せず、常任理事国と非常任理事国の合わせて15か国のうち、9か国以上の賛成が必要となります。
国連広報官は、「決議案の草案の行方は、安保理にかかっている。安保理で決議案が採択されれば、国連はそれに従うだろう」という基本的な立場を示しています。
この広報官は、「安保理が北韓のミサイル発射実験を糾弾し、加盟国に対北韓制裁決議を履行するよう求める一方で、北韓との外交的対話の再開を促す公式な発表文の採択を検討する可能性もある」と話しました。
一方、国連関係機関の活動を研究する非営利団体は、最近の報告書で、キンタナ国連北韓人権状況特別報告者が対北韓制裁の緩和を求めたことについて言及し、「安保理は、一時的または部分的に対北韓制裁の緩和を考慮することができる」という見方を示しました。
[Photo : YONHAP News]