中国とロシアが最近、国連安全保障理事会に提出した北韓に対する制裁の緩和を求める決議案について、アメリカ国務省は北韓に対する国連制裁は続けるべきだとの立場を明らかにし、対北韓制裁の必要性について改めて強調しました。
アメリカ国務省の報道官は現地時間の4日、中国とロシアが国連安全保障理事会に対北韓制裁の緩和を求める決議案の草案を提出したことと関連し、「われわれは対北韓制裁の体制を維持することに専念している。国連安全保障理事会の制裁決議は、北韓が大量破壊兵器や弾道ミサイルを開発し脅威となるのを防ぐため、北韓による物資や技術の確保を阻止するためのものだ」と明らかにしました。
報道官は、国連安全保障理事会の内部的な手続きには言及しないとしたうえで、中国とロシアが対北韓制裁の緩和を求める決議案の草案を安保理に提出したことについて反対する考えを示したものです。
報道官はまた、北韓に対する敵対的な意図は全くないとしたうえで、北韓への外交努力を続ける姿勢を改めて示しました。
そして、アメリカの同盟国やパートナーとともに、北韓住民のための人道支援に取り組むとしました。これは中国とロシアが北韓の厳しい経済状況を強調し、北韓住民のためにも制裁を緩和すべきと主張したことに対する反論とみられます。
北韓は新型コロナウイルスの感染対策で国境を閉鎖し、住民の生活は更に厳しくなっているため、対北韓制裁を緩和すべきとの声が相次いでいますが、北韓が対話に応じない状況では、制裁緩和に向けた議論には限界があると指摘する声もあります。

[Photo : YONHAP News]