金委員長、党中央委総会で「農村振興戦略」発表 内部結束強化へ

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は28日に開かれた党中央委員会総会で、農村を振興させるための戦略を発表しました。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は29日、金委員長が前日の28日に行われた2日目の総会で、「社会主義農村発展において、重大な変革的意義を持つ歴史的な報告、新たな社会主義農村建設綱領を発表した」と報じました。
そのうえで、「現実的条件と時代の要求に従って、農村振興の雄大な目標を達成するため、中長期的な発展戦略と中心課題、具体的な実行策が提示された」と伝えました。
また具体的な内容については触れなかったものの、金委員長が「革命的な重大措置」をとったと伝えたほか、今回の総会の重要案件であることし実行した政策の決算と来年の方向性に関する結論は、27日に行われた1日目の総会ですでに確定したと報じました。
今回発表された新たな社会主義農村建設綱領は、北韓がことし集中して取り組んだ農業部門の革新と関連があるものとみられます。
北韓は、非核化交渉が中断されてから長期化の局面に入った対北韓制裁に加え、去年は大きな自然災害によって農村地域が大きな被害に遭いました。
また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、国境を遮断したことで外部との交流を制限している北韓は、農業部門の革新を通じて自力更生の基盤をさらに強化し、食糧問題の解決にも拍車をかけるとともに、内部の結束を強化する狙いがあるものとみられます。
金委員長はおととしの2019年12月28日から4日間総会を開き、新年の国政方向を決める決定書を発表し、新年の挨拶に代えました。
そのため、政権発足10年目を迎える金委員長が、韓国政府が進めている終戦宣言をはじめ、こう着状態にある米朝・南北対話と関連し、どのようなメッセージを発表するか注目が集まっています。
[Photo : YONHAP News]