元IAEA事務次長 「寧辺のウラン・プルトニウム生産施設が稼働中」

北韓の北西部・寧辺(ヨンビョン)にあるウラン濃縮施設とプルトニウム関連施設がいずれも稼働中であるという見方が、アメリカの専門家によって示されました。
アメリカの政府系メディア、VOA=ボイス・オブ・アメリカは14日、アメリカの研究機関「スティムソン・センター」の特別研究員で、元IAEA=国際原子力機関事務次長のオリ・ハイノネン氏が、インタビューで、「寧辺のウラン濃縮施設は稼働中である可能性が高い」と述べたと伝えました。
ハイノネン氏によりますと、今月1日に撮影された衛星写真では、高濃縮ウランの生産に使われる六フッ化ウラン(UF6)を遠心分離機の設置場所に入れる施設などがある建物の屋根の雪が溶けている様子が映っているということです。
ハイノネン氏は、プルトニウムを生産する5メガワット原子炉も稼働中である可能性が高いとしています。
ただ、使用済み核燃料の貯蔵施設の屋根の上には雪が積もっていることから、再処理作業は行われていないという見方を示しました。
北韓は、高濃縮ウランやプルトニウムを製造する施設を寧辺に置いていますが、これらの施設では、蒸気や煙が立ち上がったり、車の移動が確認されたりするなど、稼動を続けていることを示す様子が相次いで確認されています。
ハイノネン氏は、「1994年の米朝枠組み合意の際、北韓は5メガワット原子炉と再処理施設を解体ではなく閉鎖すると主張し、結局、施設は維持された。北韓が望めばいつでも迅速に再稼働できる状態になった」と指摘しました。
[Photo : YONHAP News]