安保理、北韓ミサイル問題で声明採択ならず 中・露が拒否

国連の安全保障理事会は、北韓が5日、弾道ミサイルを発射したことを受けて非公開会議を開きましたが、共同声明の採択などの成果は導き出せませんでした。
安保理は7日、アメリカ・ニューヨークの国連本部で北韓の相次ぐミサイル発射をめぐって非公開会議を開き、対応策を議論しましたが、中国やロシアが拒否権を行使したため、共同声明の採択はできませんでした。
会議が終わったあと、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、11か国による共同声明で「北韓が情勢を不安定化させる行為のレベルを高めるなか、安保理はただ沈黙を守っている」と批判しました。
韓国の趙顕(チョ・ヒョン)国連大使もこの声明に賛同したことを明らかにしたうえで。「安保理がいかなる行動もとらないのは、北韓問題に対する安保理の信頼を損なうだけでなくグローバル核不拡散体制を悪化させることだ」と指摘しました。
北韓は、ことしに入ってすでに11発の弾道ミサイルを発射するなど、挑発のレベルを高めていますが、安保理は常任委員会の中国とロシアの拒否により、これといった対応措置をとれずにいます。
このため、アメリカをはじめとする欧米諸国や韓国、日本は、会議場の外で別途の共同声明を朗読することで、北韓のミサイル発射を批判しています。
一方、北韓は5日のミサイル発射について、偵察衛星の開発のための衛生データ送受信システムなどのテストだったと主張しています。
[Photo : YONHAP News]