北韓、豊渓里核実験で建築工事 核実験再開の準備か

衛星写真によって、北韓が2018年に坑道を爆破して廃棄したとされる豊渓里(プンゲリ)核実験場に新たな建物を建てている動きが捉えられ、北韓が核実験再開の準備をしているという分析が浮上しています。
アメリカの衛星画像会社「マクサーテクノロジーズ」によりますと、豊渓里一帯を撮影した衛星写真に、先月18日には空き地だったスペースに今月4日には建築用の木材などが積まれている様子が鮮明に捉えられていました。
アメリカのミドルベリー国際学研究所核不拡散センターのルイス東アジア局長は「豊渓里核実験場で新たな活動が始まっていることを示唆する兆候が捉えられた」と分析しています。
これについてアメリカの政府系メディアVOA=ボイス・オブ・アメリカは、北韓が2018年5月に豊渓里核実験場を閉鎖して以来、初めて捉えられた現場での活動だと指摘しました。
ルイス局長は、北韓がことし初めに「アメリカの敵視政策を制圧できる強力な物理的手段を強化する」として、核兵器やICBM=大陸間弾道ミサイルの開発を一時的に停止するモラトリアム(猶予)を解除する可能性を示唆したことに触れ、「豊渓里核実験場で核実験再開のための準備を行う計画を進めている可能性がある」と分析しています。
また、仮に北韓が核実験を再開する場合は、爆発力100キロトン以上の大型水素爆弾製造に対する自信を高め、短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルのための新しい戦術核兵器を検証するためのものである可能性があるとしています。
北韓は2018年5月、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とアメリカのトランプ前大統領によるシンガポールでの首脳会談を控え、非核化措置の一環として豊渓里核実験場の坑道の入り口を爆破しました。
[Photo : YONHAP News]