北韓が金剛山のホテル解体か 統一部「まだ回答なし」

北韓南東部の金剛山(クムガンサン)観光地区で韓国側施設の「海金剛(ヘグムガン)ホテル」の解体作業が進められているとされることについて、統一部が北韓側に確認を求めましたが、まだ回答がないことがわかりました。
統一部の当局者が記者団に明らかにしたところによりますと、南北連絡事務所のルートを通じて、「金剛山観光地区にある韓国側施設の撤去や整備のためには、南北による合意が必要だ」としたうえで、解体作業を進めていれば、韓国側に十分に説明するよう求めたということです。
また「金剛山観光地区にある韓国側施設に関する問題は、すべて協議を通じて解決しなければならない」として、協議を始めたい考えを北韓側に口頭で伝えたということです。
しかし、これに対する北韓からの公式の反応はまだないということです。
この関係者は、「解体作業がある程度進んでいる。一定の段階になれば、ホテルの建設工事を手掛けた韓国企業の現代峨山(ヒョンデアサン)側と協議し、韓国側の立場を表明することを検討している」と話しています。
海金剛ホテルは、金剛山観光地区の海岸に係留されている海上浮遊式ホテルで、南北交流が活発だった2000年にオープンし、現代峨山が所有、運営していましたが、2008年に北韓兵士が韓国人女性観光客を射殺する事件が起きたことで金剛山観光が中断し、それ以来、運営されていません。
北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は2019年の現地指導で、海金剛ホテルなどの撤去を指示しています。
アメリカの政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は、衛星写真サービス企業「プラネットラボ」が今月5日に撮影した写真を分析した結果、ホテルの屋根や外壁が破壊され、建物をくりぬいたような状態になっていて、解体作業がかなり進んでいるとみられると報じています。
[Photo : YONHAP News]