北韓での金委員長の支持率 若い世代ほど高い

ソウル大学の統一平和研究院は25日、北韓での金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の支持率は、若年層ほど高い傾向があるという内容を盛り込んだ報告書を発表しました。
研究院は、2011年から2020年にかけて、北韓から逃れてきた脱北者、1242人を対象に調査を行いました。
調査で、「北韓に住んでいたころ、周りの人の何%が、金正恩氏を支持したか」と尋ねたところ、「半分が支持していた」と答えた人が18.3%と最も多くなっています。「9割以上だった」と答えた人が17.1%だった一方、「10%未満だった」と答えた人は10.2%でした。
これについて、統一平和研究院の金炳魯(キム・ビョンロ)教授は、「支持率に関する質問に、明確な意見を示さず、半分だと答えるケースが多い。そのことを踏まえ、支持率を50%以上だと答えた人たちを積極的な回答者に分類し、統計を取り直す必要がある」と説明しました。
金教授の計算によると、金委員長のこの10年間の支持率は63.7%だということです。
年代別の支持率は、20代が71.1%と最も高く、30代が68.9%、50代が57.2%、40代が55.6%、60代以上が50.7%と、若い世代ほど支持率が高くなっています。
これについて金教授は、「年齢が高くなるほど、住民の社会経験や関係の幅が広がり、政治に対する批判意識が形成されたものとみられる」と分析しました。
金教授はまた、韓国文化に触れた経験が多いほど支持率が低下しており、海外文化の流入が実際に住民の政治意識を弱めたことを表していると述べました。
[Photo : YONHAP News]