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北韓 金剛山地区の韓国企業所有のホテルを完全撤去

ニュース2023-05-05
北韓 金剛山地区の韓国企業所有のホテルを完全撤去

北韓南東部の金剛山(クムガンサン)観光地区に韓国企業が所有する水上ホテルが完全に解体されたと、アメリカの政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ」が現地時間の4日、報じました。

解体されたのは海金剛(ヘグムガン)ホテルと呼ばれる海に浮かぶ構造物で、金剛山観光地区から40キロほど離れた通川(トンチョン)港を撮影した3日の衛星写真には、先月21日にはあった海金剛ホテルの下層部分の支持台が映っておらず、建物の痕跡はみられないということです。

海金剛ホテルは、去年初めから解体が始まり、支持台だけが残った状態で、昨年末に通川港に移されました。

ことしに入ってから支持台の大きさは少しずつ小さくなっていて、解体作業が終わったのは先月下旬とみられるということです。

金剛山観光地区では、南北の協力事業として韓国人向けの観光が行われてきましたが、2008年に北韓の兵士が韓国人観光客を射殺する事件が起き、中断しています。

海金剛ホテルは、韓国企業の現代峨山(ヒョンデアサン)が運営していたもので、金剛山を訪れた観光客の宿泊施設だけでなく、離散家族再会の会場としても活用され、南北交流を象徴する施設となっていましたが、金剛山観光が中断されて以来、10年以上放置されていました。

そして、2019年に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が現地視察を行い、韓国側の施設をすべて撤去するよう指示し、解体が進められていました。

金剛山地区内のほかの韓国側施設である金剛山文化会館や温井閣(オンジョンガック)、九龍(クリョン)ヴィレッジなども、去年、ほとんど解体されています。

統一部は、北韓による一方的な解体について、「強い遺憾」を表明してきましたが、北韓は回答していません。

これまで、金剛山観光地区に投じられた投資額は、民間が総額4200億ウォン、韓国政府が600億ウォンに上っています。

[Photo : YONHAP News]

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