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北韓へのビラ散布 政界から自粛求める声

ニュース2024-06-11
北韓へのビラ散布 政界から自粛求める声

脱北者の団体が、北韓の体制を批判するビラを北韓に向けて散布したことへの対抗措置として、北韓もごみや汚物をぶら下げた風船を韓国に向けて飛ばしていることを受けて、政界を中心に、脱北者団体はビラの散布を自粛するべきだという声が上がっています。 
 
与党「国民の力」の尹相現(ユン・サンヒョン)議員は10日、国会で記者会見し、脱北者団体が北韓へのビラ散布を行っていることについて、「しばらく中断するなどして、北韓に挑発の大義名分を与えないことが必要だ」と述べました。
 
また、韓国軍が、軍事境界線付近で大音量のスピーカーを使って、北韓の体制を批判する放送を再開したことで、南北の緊張が高まっているなか、引き続きビラ散布が行われる場合、北韓が武力行使に出る可能性が高まるとして、尹議員は、脱北者団体に対して、「ビラ散布に対する慎重な判断を求める」と呼びかけました。
 
最大野党「共に民主党」に所属する金東兗(キム・ドンヨン)京畿道(キョンギド)知事も10日、政府に対し、北韓向けビラ散布を制限する措置を取るよう求めました。
 
金知事は自身のSNSで、「境界線付近の住民の日常が脅かされ、経済活動にも悪影響が出ている」と指摘しました。
 
ただ、各脱北者団体は、今後もビラ散布を続ける方針を明らかにしています。
 
2020年に当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権が成立させた「南北関係発展法」は、北韓へのビラ散布を禁じていましたが、これについて、憲法裁判所が去年9月、政治的な表現の自由を制限しているとして違憲とする判断を示したため、政府としてもビラ散布を強制的にやめさせることはできません。
 
政府は、北韓の汚物風船に対抗して、軍の宣伝放送を9日、6年ぶりに再開しましたが、10日以降は放送を控えていて、南北間の緊張がこれ以上高まらないように調整しているものとみられます。

[Photo : YONHAP News]

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